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色んな音楽を聴きあさったら、視野(聴野?)が広がるよ。

音楽をはじめた初期の段階では、自分が好きだと思った音楽ジャンルやアーティストの曲をとことん追求していくのも良いと思います。

しかし、音楽家としてさらに成長していきたいのなら、様々な音楽に対してオープンになる事が大切だと思います。なぜなら、自分独りで探求できる音楽の情報というのは限られているからです。

他の音楽家やリスナーたちから入ってくる音楽の情報に耳を傾けてみるのは、視野を広げる良いチャンスだと思います。

私自身がティーンネイジャーだった頃は、ロック少年だったので、当時流行っていたオルタナ系ロックやニューメタル系の音楽ばかりを聴きあさっていました。また多くのリスナー達がそうであるように、その頃はヒットチャートものの音楽にしかあまり興味がなく、それ以外のものは聞いてみようとも思っていませんでした。

しかし、ギターを始めてから一番最初にレッスンを受けていた先生から、スティーブ・ヴァイとジョー・サトリアーニを教えてもらった時はぶっ飛びました。二人ともインスト系のロックギタリストですが、当時歌物のロックギターしか知らなかった私には、テクニカルなインストギターは強烈でした。ギターにはこんなに沢山のテクニックがあるんだと知りました。

また当時アメリカでやっていたバンドのメンバーには、黒人のベーシストがいて、その彼はマーカス・ミラーやジャコ・パストリアスなどから影響を受けていました。彼からもまたファンクやフュージョンなどの、リズミカルな要素を多分に含んだ音楽を教えてもらいました。

進学した音大では、ジャズやラテン音楽を学ぶ機会がありました。それらの経験は私が音楽に対して持っていた視点を変える貴重な経験となりました。

音大を出た後は、普遍的な希望や喜びと人生の意味について歌うゴスペル・ミュージックに出会い、更に音楽に対する向き合いかたが根本的に変わりました。(正直ゴスペルに出会っていなかったら、今も音楽を続けているかどうかわかりません。)

最近では、クラシック音楽にも興味があります。

そんなこんなやっているうちに、世界中のありとあらゆるジャンルの音楽が好きになりました。

また、そうした様々なスタイルの曲や奏法を学んでいったことにより、プレイヤーとして色んな形態のアンサンブルにも対応できるようになっていったと思います。

最近は洋楽を聞かないという若者が増えているというのを巷で聞きます。恐らくそれは事実で、私自身もレッスンをやっていて「普段洋楽は聞くことがない」という生徒さんの比重が意外に多いことに気づきました。

まあ、聞く音楽というのは個人の好みの問題なので、邦楽だけを聞こうが、洋楽を聞くまいが、完全に個人の自由だとは思います。

普段音楽を聴くときに主旋律や歌詞を中心に意識して聴いていて、英語が理解できないリスナーのかたの場合だと、洋楽を聞いてもなにを歌ってるのかもよくわからず、面白みがないというのがあるのかもしれません。



しかし、音楽の楽しみ方というのは、必ずしも主旋律の動きや歌詞の持つ世界観だけにあるとも限りません。

近代音楽で使われている楽器(それこそギターやウクレレやベースだったり)は、西洋文化の中で発展してきた背景があります。やはり奏法やフレーズのアプローチなどを学ぶうえで、洋楽や西洋音楽史から得られるものは沢山あると思います。

スタンダードやルーツ・ミュージックを軽視してしまう人は、例えばギターのチョーキングやビブラートのニュアンスだったりとか、そういった現代音楽に求められる基本的な部分を見落としてしまう可能性もあるのです。

例えば、昨今の10〜20代ぐらいの生徒さん達に多い傾向で、最近のヒットチャートを賑わしているOfficial髭男dismさんやKing Gnuさんの曲をやりたいという生徒さんがよくレッスンに来られます。もし本当にそれらのバンドが体現しているような音楽スタイルを追求していきたいのなら、彼らが影響を公言しているアーティストの音楽まで、深く掘り下げて聞いてみるべきでしょう。

彼らは邦楽の影響のみならず、ブラックミュージックや洋楽ロックなどの影響も大きく受けているはずだからです。

これはうろ覚えですが、なにかのインターネットの情報で、ヒゲダンのボーカリストの藤原さんが影響を受けたアーティストとして、スティービー・ワンダーを挙げられていたと思います。

最近の若い世代の音楽リスナーには、スティービー・ワンダーの音楽を全く知らないという方もよくみられます。是非きいてみてください。近代音楽史に名を残すほどに偉大なアーティストです。

私自身マルチカルチャーな環境の中で育ったので、どこまでの音楽が洋楽というカテゴリーに入るのか、定義がよくわからないのですが、世界の音楽を聴いていると、

「自分って、意外にこういう音使いやリズムが好きだったんだな」とか、「英歌詞には日本語にはなかなか再現できない細かいリズムがあったりしてカッコいいな」とか、「やっぱり海外のアーティストのハーモニーの構築のしかたはすごいな」とか、そういう気づきがあります。

あと、レッスンをやっていて思うのですが、ヒットチャートものの音楽以外の音楽を知らない生徒さんの数が、かなり多いと思います。

私は別にヒットチャートが悪いとは全然思いません。私自身もチャートミュージックを今でもときどき聞きますし、ヒットソングで好きなものもあるのですが、ヒットチャートばかりを追いかけていたら、なかなか出会えない音楽があるのも事実だと思います。

昨今はYouTubeなどのインターネット媒体がかなり発達しています。そろそろリスナーやユーザー達が、マスメディアが一方的に自分達に提案するものだけを聞くのではなく、自分たちで良いものを選んでいく。良いものは有名無名に関わらず良いものとして評価していく、というところに来ても良いと思っています。

例えばアメリカやヨーロッパなんかは色々なマーケットがあり、決して主要メディアに登場していなくてもローカルクラスで活躍しているミュージシャンたちは沢山います。それは、リスナー達が自分で好きなものを選んでいるからです。

なんだかんだ言っても、日本でマスメディアの影響って、まだまだ強いんだと思わされています。

音楽リスナーや楽器を演奏する皆様も、是非掘り下げて聞いてみてください。思わぬ音楽との出会いがあるかもしれないし、きっと自分自身の音楽的成長にも繋がるはずです。

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